革靴のカビ対策で大切なこと

晴れたと思ったらまたもや雨。地元の新潟から出てきて15年ほど経ちますが、こんなに雨が多い関東の秋は初めてです。私の感じ方に問題があるのかもしれませんが。

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これだけ雨が降ると、皮革製品を扱っている身としてはカビの心配をしないわけにはいきません。皮革(状況によってはコットン、ウール、ナイロンだって)は油断すればあっという間にカビにやられてしまいます。私自身、何度も泣かされてきました。

革靴に生えてしまったカビに対しては、除菌力が強い革靴用の除菌消臭スプレー、エタノールやオキシドールなどなど…色々試してみました。ただ、どれも予防や再発防止の効果はイマイチ。

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しかし革靴のメンテナンス用品も日々進化しています。革靴の専門店などでは、皮革にも安心して使えるカビ用クリーナーが販売されています。(もちろんdelightful toolでも)靴中のニオイ菌とカビ菌への有効なアプローチは異なるようで、カビにはカビ専用のメンテナンス用品の方が効きます。

そんなクリーナーにも注意点がひとつ。一度生えたカビはなかなか手強く、カビによってできた染みには専用クリーナーもほぼ効きません。ですのでカビ対策のポイントは予防と早めの対処。

革靴が雨に濡れた時はもちろん、雨が続いた時にはとりあえずスプレーしておきます。靴と合わせて下駄箱にスプレーする方法も有効です。これで予防対策はOK。もしカビが発生しても早いタイミングで発見できれば、表面のカビを拭き取ってクリーナーをスプレーするだけでも大丈夫です。早期であればカビによる染みができていない可能性が高いので。

最後にひとつ。カビ対策で意外と、そして一番大切なのではないかと思っていること。

「革靴の状態をマメにチェックする」

これに尽きるのではないかと。革靴の足数が増えすぎて目が行き届かないと、カビを見つけた時には完全アウト…なんて可能性が高まります。自分の目が行き届く範囲の革靴を、しっかりローテーションして丁寧に履いてあげる。カビ対策に限らず、大切にしたいことです。

革靴にクリームを塗る

革靴をお手入れする際の基本はブラシ。一昨日のブログでお伝えした内容です。それではブラッシングをしても、革靴の表情がイマイチのときはどうするか?

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クリームの出番です。革靴に塗るものは色々とありますが、ビンに入ったハンドクリームのような柔らかさのもの(ラベルに乳化性と書いてあるもの)を選んでください。革靴の色がよほど落ちていない限りは、無色(ニュートラル)のクリームで問題ありません。

ポイントはクリームの塗る量と塗り方。

専用のブラシを使います。

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一回に取る量はこのくらい。沢山塗ってもベタつくだけで良いことはありません。

そして塗り方。「表面の擦れ跡が気になる」「ツヤをしっかり出したい」そんな部分は、このようにブラシをしっかりと押さえつけてクリームを刷り込みます。

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少量のクリームを革にしっかりと刷り込む、これがクリームを塗る際のポイントです。この後は一昨日にご紹介したブラシで、全体を思い切ってブラッシングしてください。クリームを吸収するタイプの革であれば、この流れでだいぶ綺麗になります。

ブラッシングを習慣に

汚れて、少しくたびれた靴。

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ここまで綺麗にするのは大変?

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そんなことはありません。今回使ったケア用品はブラシのみ。

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片足あたり30秒ほどシャカシャカとブラッシング。この革はオイルを多く含んでいることもあり、ブラシだけでここまで綺麗になりました。

革靴を手入れする際の基本はブラシです。「どんなブラシを使う?」「使い分けは必要?」といった疑問はとりあえず置いておきまして、靴を脱いだ後(靴を履いた時でも構いません)のブラッシングを習慣にしてください。それだけでも靴の表情は生き生きとするはずです。

どんなブラシを買うか悩んだ時は、豚毛のブラシを1本購入。これが私のお勧めです。このあたりの考え方は人それぞれですが、後々ブラシを買い足すにしても豚毛のブラシは無駄にはなりませんので。

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