サイズバランス

梅雨入りした割には、今年はカラッと晴れる日が多い気がします。今日は半袖一枚で外を歩くと気持ち良いですね。

半袖はTシャツも悪くありませんが、私は襟付きのシャツが落ち着きます。

こちらは購入したばかりのリネンシャツ。サラッと気持ちよく着れる一枚です。

 

このシャツ、私にとっては貴重な一枚。

というのもシャツはサイズ選びで困ることが多く、フィット感に満足できる既製品が見つかることがほとんど無いのです。

身長の割に肩と首回りが大きいので、ここに合わせると大抵のシャツは全体のサイズ感が大きく長くなってしまいます。逆に身幅や着丈を優先すれば、今度は肩と首が詰まってしまって窮屈な着心地に。

このシャツは肩幅と首回りに対する身幅と着丈のバランスがちょうど良いです。しかも価格はお手頃。袖を通した時は、思わず嬉しくなってしまいました。

 

こういったサイズバランスは何においても大切です。

手前味噌ですが、ANCHOR BRIDGEの村橋さんが削った木型は本当にバランス良くできています。初めて作ってもらったサンプルシューズを履いた時は、そのバランスの良さに感動しました。

指の付け根周辺(ボールジョイント)から指先にかけてはゆったりと。指が締め付けられず、開放感があります。

 

インステップと呼ばれる部分は、高さは低め、周り寸法も小さめに設定されています。

このバランスゆえ指周りを開放させたからといって、画像のように羽根(紐を通している部分、甲周りを押さえるパーツ)が閉じ切ってしまうことは少ないです。

 

色々な既製靴で羽根が閉じてしまう私も、馴染んできた靴でこのくらいの余裕があります。

羽根の間がある程度開いていれば、足の状態に応じて甲周りの締め加減を調整できます。

指周りを開放させているからといって、全体が緩い履き心地ではありません。押さえるべきところはしっかりホールドしてくれる構造です。

ご興味をお持ちいただいた方は、外を歩けるサンプルシューズをお試しください。限られた曜日と日数ではありますが、大和市のアトリエショップでお待ちしております。

足の小指が当たってしまう方へ

今日はどんよりとした曇り空ですが、昨日はここ神奈川県大和市も真夏日でした。

そんな暑さの中サンプルシューズを試してみたいと、お客様がアトリエショップまで足を運んでくださいました。真夏日、しかも遠くからお越しいただき本当にありがたいです。

足を計測した後、こちらのサンプルシューズで外を歩いていただきました。

 

小指が当たりにくい外側のライン。

 

レースステイ部分(靴紐を通すパーツ)からつま先にかけての薄さ。

木型のポイントをしっかりと感じていただけたようで、「これなら大丈夫そうです」と既製ラインのプレーントゥをお買い上げいただきました。お聞きするといつも小指が当たってしまい、フィッティングと価格のバランスで納得できる靴がなかなか見つからなかったとのこと。私自身もずっと同じ悩みを持っていましたので、このような形でdelightful toolの靴をお選びいただけたことが嬉しかったです。

既製のプレーントゥは梅雨でも気にせず履ける甲革と底材の組み合わせですので、どんどん履いて足に馴染ませていただければと思います。F様、この度は誠にありがとうございました。

 

小指がいつも当たるとお悩みの方は、まず外を歩けるサンプルシューズを履いてみてください。試し履きだけでも全く問題ございませんので、問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

またdelightful toolの靴の履き心地のポイントをまとめた記事もございます。言葉で伝えるのは中々難しいのですが、「一体どんな靴なのか?」気になった方は是非こちらの記事もご一読ください。

革の大きさ

2週間ほど前にグラウンドカバーとして庭に植えたクラピアが、少しずつ広がってきました。

5~10月にかけて一気に広がるようですが、真夏日はクラピアにとって良い一日だったのでしょうか?

 

今日は昼前に、気になっていた革を見るため浅草方面に出てきました。

こちらは私がカットした革のサンプル(ゾンタのOLD ENGLAND)です。

このカットサンプル10センチ×10センチの正方形は、革一枚のサイズを測る基本。10センチ平方は1デシと言い、これを基準にして「この革は1デシあたり◯円で、◯◯デシのだから…」と革一枚の値段が決まっています。

革を購入する時はデシ単価(1デシあたり◯円)がもちろん気になります。ただそれと同時に気にしているのは、一枚の革から何足の靴を作れるか。

一枚の革は、靴作りにおいて隅々まで使えるわけではありません。デシ単価が安くても靴として使える部分が少なければ一足あたりの材料費(革代)は高くつきます。逆にデシ単価が多少高くても靴として使える部分が多ければ材料費は抑えられます。

天然素材ゆえの難しさとも言えますが、こんなことを色々考えながら革を選ぶのも楽しいものです。

ちなみに今日見てきた革、靴にするのがワクワクするような非常に良いものでした。ご紹介は少し先になると思いますが、是非ご期待ください。

黒のクォーターブローグ

昨日、お客様にお渡しした黒のクォーターブローグシューズです。

「太めのパンツに負けない、ボリュームがある靴」をご希望でしたので、重厚感を意識して仕様を決めていきました。

 

革はイタリア製のオイルドレザーNEW YORKです。

切り返し部分にはギザ抜き(革の切り口をギザギザに抜く仕様)を施し、親子穴の飾りを入れました。

 

こちらは後ろからのシルエット。

 

底周りは革底のダブルソールにストームウェルト。しっかりとボリュームを出せる組み合わせです。

底縫いはステッチを隠さないオープンチャネルという仕様。

 

カカトのトップリフトは革とゴムのコンビネーションタイプ。クサビ型のものを使用しました。

見た目の重厚感だけでなく、甲革と底周りの仕様から多少の悪天候でも気にせず使えるタフな一足に仕上がりました。Tさんが好きな洋服とも相性が良い一足にできたと思いますので、日々履き続けていただければ幸いです。

 

こちらのコンビシューズと同仕様の9分仕立てオーダーシューズ

価格:¥102,060(税込)

※9分仕立て¥97,200(税込)+親子穴とギザ抜きの追加¥4,860(税込)

納期:ご注文から約3ヶ月

レディスのプレーントゥ

試し履き用のサンプルシューズは22.5・23・23.5の3サイズしかございませんが、こちらのモデルはレディスのオーダーも承ることができます。

デザインは外羽根のプレーントゥのみ。アトリエショップに在庫がある革でしたらどの革でもお作りできます。

 

底付けはマッケイ製法です。

サンプルシューズは合成板(ゴム底)とビブラムのヒール(画像は2055という部材です)の組み合わせ。底周りは革底を始め、他の部材もお選びいただけます。

メンズに比べてお選びいただける部材に限りはありますが、お履きいただくシチュエーションに応じて最適な底材をご提案いたします。

レディスのプレーントゥは、レディス専用の木型と型紙のバランスでキュッとまとまった可愛らしい印象があります。しっかりした作りのレディスシューズをお探しの方、まずはサンプルシューズに足を入れて歩いてみてください。

価格は¥70,200(税込)ご注文からお渡しまでは約3ヶ月です。

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