靴を休ませる

「革靴は1日履いたら2日休ませる」

「革靴は最低でも3足をローテーションして履く」

この手のフレーズ、みなさまも耳にしたことがあるかと思います。「革靴は毎日続けて履いてはいけない」「革靴は休ませる時間が必要」ということですが、なぜでしょうか?

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それは靴(特に内部)の劣化を防ぎ、適切な経年変化をさせるためと考えています。

1日履いた靴は足から出た汗を内側から吸収します。そのため靴の内部には湿気が溜まっています。このまま翌日に同じ靴を履いてしまうと、内部の湿気は抜けきらないまま。この状態は中底や裏革の劣化につながります。

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湿気が抜けきっていない状態は、このような目に見えにくい部分の劣化につながるため気をつけてください。

 

特に難しいことはありません。靴を脱いだらブラシをかけて休ませる。それだけです。

休ませる場所は少し意識していただきたいです。玄関にそのままポンと置かずに、風通しの良い場所で休ませるとベストです。少し高さのある棚などに逃がすと、地面に近い場所よりは良いと思います。下駄箱にすぐ入れてしまうのは、湿気がこもるのであまりお勧めしません。シュートリーなど、靴の形を整えるための詰め物を入れるのはできれば1日置いてから。靴を脱いだ直後に詰め物を入れると、湿気が逃げにくくなりますので。

革靴を休ませる期間は「1日履いたら2日」を目安にしてください。正確なデータが出ているわけではないのですが、色々な方が履いた革靴のコンディションを観察した経験からしてもこのくらいのペースが必要です。汗をかきやすい方や、湿度が高い時期、雨に降られた時はもう少し休ませる日数を設けてください。

きちんと作られた革靴(特に紳士靴)は、消耗する部分の修理を前提に作られています。ヒールやつま先のすり減りなどは修理で対応できます。しかし裏革や中底を丸ごと交換修理するのは難しいケースが多いです。適切に靴を休ませるだけで、裏革や中底の持ちは非常に良くなります。休ませつつ、定期的に履くことで革靴は履く人の足に馴染んでいきます。それが革靴の良い経年変化です。

自分らしい良い革靴に出会えた時は、是非「革靴を休ませる」意識を持って付き合ってみてください。

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