SNSで画像だけ掲載していたこちらのチャッカブーツ。「雨でも気にせず履ける一足を」との思いで作ったサンプルシューズです。諸々のテストを兼ねて自分で履いています。(同仕様でのオーダー価格は税込¥102,600です)
革はイタリアのタンナー、バタラッシのミネルバリスシオを使いました。ブログでお見せするのは初めてです。植物タンニンでじっくり鞣された革で良い変化をしてくれるはずです。
製法は9分仕立て。多少の雨でも気にせず履けるようストームウェルトを縫い付け、本底はビブラム700にしました。悪天候時のグリップ力を考慮しての選択です。またすり減りに対しても強い底材です。
ストームウェルトはどれだけ雨が染み込みにくくなるのか多少不安もありましたが、実際に履いてみるとしっかり機能してくれています。ボリュームが出る仕様のため、カジュアル方向に振れても問題ない靴でしたらストームウェルトは雨対策としてお勧めです。
ミネルバリスシオという革についてもう少しお話を。
向かって右は全く手を加えていない状態。向かって左が黒の乳化性クリームを塗った状態です。かなり化けます。色を加えず、光沢も出さない。色は加えず、光沢だけ出す。どんな仕上げを施しても良い革です。お履きいただくシチュエーションや服との組み合わせでお選びください。
冒頭、一枚目の画像が何も手を加えていない状態。こちらの状態が黒のクリームを塗った後です。それぞれに良い表情だと思います。
数回履いて、手入れをしました。雨の中でも二度、三度は履いています。シワの入り方、光沢の出方ともに悪くありません。雨に濡れた後、水滴の跡はよほど長時間放置しなければブラッシングだけでも綺麗になります。
狙い通り実用性が高い一足になりました。同じチャッカブーツでも先日ご紹介した井本さんのチャッカブーツとは色々と方向性が異なる靴になるのは、やはり面白いものです。