新しい型押しの黒革

二日続けての雨は久しぶりでしょうか。雨であってもラジオから流れてくるサンデー・ソングブックは、いつもと変わらず良いです。

こんな雨の中、いつもと変わらず配達員さんが革を届けてくれました。

先日お話していた黒の革。フランス産、型押しの革です。

表面はしっかりとしていて、ツヤは抑えめ。端切れに何種類かクリームを塗ってみましたが、磨いてもそれほどツヤは強くなりませんでした。

こういった型押し革の良いところは傷が目立ちにくいところ。日常使いには最適です。

同じ型押しの革ではコンチェリア800のBELUGAもありますが、こちらの革はパリッとした靴に仕上がってくれそうです。靴として形になるとどうなるのか?プレーントゥ(もしくはパンチドキャップあたり)を一足作ってみようと考えています。

履いて実感

昨年の秋から履いてきた黒のブーツ。

ゾンタのOLD ENGLANDで作ったものです。

平面で見た時の上品な印象、触った時のコシの強さは靴になってしっかりと実感できました。

特にコシの強さによるホールド感。履き慣らしで足が痛くなるといったことはありませんでしたが、タンニン鞣しの革に比べて少しづつ足に馴染ませていく必要がある革だと思います。それだけしっかりとした強い革です。

 

ヨーロッパのタンナーが手がける他の綺麗な革に比べると、ツヤは抑え目。この控え目な印象が私は好きです。

経年変化は良い意味で緩やか。その分、じっくり長く付き合っていける強さがあります。

ゾンタのOLD ENGLANDを実際に履いてみた印象は、靴に「剛性」「控え目な上品さ」「耐久性」をプラスしてくれる革。このような点を革靴に求められる方にはお勧めの素材です。

BELUGA再考

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柔らかく、履き始めから足馴染みが良い革。

 

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柔らかいといっても十分な厚みがあるので、履いた時に「フニャフニャで頼りない」といった印象はありません。

 

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表面に凹凸があるシボ革は、ツルっとした革に比べて傷が目立ちにくいです。まさに日常使いに最適な革。

 

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木型の丸みと合わさって、柔らかい印象の靴に仕上がります。

 

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色は黒、紺、茶の3色。以前ご紹介した通り、靴クリームで色の変化が出やすい革です。特に茶色はクリームによる色の変化が顕著です。

BELUGAの魅力、ポイントを改めて書き並べてみました。こうして振り返ってみると、昨日ご紹介した「ロウを引いていない平紐」と似た良さがある革なのかなと思います。穏やか、素朴な表情でありながら、機能性と出過ぎない個性を兼ね備えている。そんな共通点が見えてきました。

素材で味付けを

3連休の最終日。今年はカレンダーに恵まれたクリスマスですね。クリスマスの日曜日、TOKYO FMから山下達郎のサンデー・ソングブックが流れてくる。「なんだか良いクリスマスだな」と感じています。

昨日のブログでお伝えした通り、靴としての立ち位置については常々考えております。カジュアルにもドレスにも振り過ぎないよう意識していますが、delightful toolの軸足はやはりカジュアルです。その上で履く人の色が出るような味付けができれば良いなと思っています。

例えばカジュアルな一足に素材で味付けを。

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NEW YORKとBELUGAの黒。

 

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NEW YORKとBELUGAの茶。

2種類の革を組み合わせます。NEW YORKBELUGAの組み合わせは、エイジングを楽しみやすいコンビシューズに仕上がることもありお勧めです。コンビシューズとはいえ、同色であれば程よい上品さが出ます。色も素材も変えた場合は個性が強くなりますが、それもコンビシューズの楽しさです。

ある程度切り返しがあるデザインの方が、コンビシューズであることが生きてきます。

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ウィングチップ。

 

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パンチドキャップトゥなどがお勧めです。

コンビシューズでご注文いただいても追加料金はかかりません。ブーツや穴飾りなどの追加がなければ、税込¥70,200(マッケイかマッケイ+セメント製法)か税込¥97,200(9分仕立て)でオーダー可能です。店頭には大判の革もございますので、実際に組み合わせてみながらご検討ください。

BELUGAを掘り下げる

今回はイタリアのタンナー・コンチェリア800社のBELUGAという革を掘り下げてみたいと思います。

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色は黒、茶、紺の3色からお選びいただけます。

 

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タンニン鞣しの型押し革で、このような表情をしています。

BELUGAの茶色はクリームなどで仕上げるとツヤはもちろんですが、色の変化が出やすい革です。

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色がついた乳化性クリーム(今回はM.モゥブレイ・シュークリームジャーのレッドマホガニーを使用)を塗り込み、ブラシで馴染ませてみます。

 

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向かって左がクリームを塗った後です。

 

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さらに全体にクリームを塗り広げました。

今回は色つきのクリームで赤味を足して、ツヤを出してみました。色を変化させずにツヤだけを出すなら無色のクリーム、ツヤも必要なければデリケートクリームのみで仕上げる方法もあります。BELUGAはどのように手入れして、変化をさせていくかを考えることが面白い素材だと思います。「このクリームだとどんな変化が出るのか?」疑問が湧いた時には、革の端切れを使って店頭で確認もできます。お気軽にお声掛けください。

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