平ウェルトとストームウェルト

グッドイヤーウェルテッド、ハンドソーンウェルテッド(9分仕立て、10分仕立て)の革靴には、ウェルト(細革)と呼ばれるパーツがあります。

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アッパー(足を覆う部分)と底材の間、隙間を埋めるようにグルッと取り付けられています。画像の縫い目が走っている部分です。靴として完成した状態では見えませんが、ウェルトはアッパー、中底(インソール、足の裏が触れるパーツ)と縫い合わされています。

 

このウェルト、delightful toolのオーダーシューズでは2種類からお選びいただけます。

一つは最初の画像のような、平ウェルトと呼ばれるもの。名前の通り、部材の状態では平べったい細い革です。

もう一つはストームウェルトと呼ばれるもの。

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正面から見ると、L字になっています。ストームウェルトは水などを入り込みにくくするため、このような形状になったと言われています。

しかし実際は日常生活の雨くらいであれば、平ウェルトもストームウェルトもこの機能において大差はありません。ですのでどちらのウェルトにするかは、見た目や雰囲気で選んでください。あまりボリュームを出さずに、すっきりとした靴にしたい場合は平ウェルト。逆に靴全体にボリュームを出したい場合はストームウェルト。このような選び方でOKです。

どちらを選ぶか迷われた場合は「お任せで!」とおっしゃってください。その靴を履く際の服装、靴全体のバランスを考慮して最適なウェルトをご提案いたします。

黒靴×シボ革

黒の革靴についてのブログが続いたせいか、街行く人の黒靴がいつも以上に気になります。意識して見ると、色を黒に限定しても実に様々な革靴があるのだなと。

落ち着きや安心感を与える。黒靴の基本はコレだと思います。そこから素材の質感やデザインでどのような方向に持っていくのかが、オーダーで靴を作る楽しみです。

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このように表面に凹凸があるシボ革(画像は黒のBELUGA)を選ぶと、カジュアルな黒靴ができあがります。

紳士靴の基本デザインであれば何に合わせても良い革です。

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革の質感をしっかり味わいたいならプレーントゥをお勧めします。このBEUGAは足当たりも柔らかく、履き心地の点でもカジュアルスタイルに最適な一足になってくれます。グレーのセーター×白のボタンダウンシャツ×ジーンズに合わせれば最高ではないでしょうか。革の色を黒に限定しても、このようなことを考えるのは楽しいものです。

1月第2週の営業時間について

大変恐縮ですが、私用及び1階休業日のため今週の営業日と営業時間を以下の通り変更させていただきます。

1月10日(火) 16時オープン

1月11日(水) 臨時休業(1階、delightful toolともに休業)

1月14日(土) 臨時休業(1階は通常営業)

よろしくお願いいたします。

軽い靴、重い靴

店頭に並んでいる靴を手で持つと、ものによって重さが違います。ズシッと重さを感じる靴から、アレッと思う軽さの靴まで様々です。

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靴の重さは、靴を構成するあらゆる部材の重さの合計。その中でも靴の重さを大きく左右する部材は底材(ソール)です。

 

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スポンジや発泡させたゴム素材の底材は軽いです。ビブラム社の2060ソール2810ソールがこの手の軽い底材です。

 

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ゴム素材で厚みがある底材は重いです。同じビブラム社の底材でも、700ソールはズシッと重さを感じます。

靴の重さに関しては様々な考え方があります。delightful toolでは、その靴を履くシチュエーションやお客様のお好みによって軽い底材をお勧めすることも、重い底材をお勧めすることもあります。

靴の重さは、履き慣れた感覚から大きくずれてしまうと違和感があるはずです。一人一人に合わせた「つい履きたくなる一足」をお作りできるよう、重さも含めたご提案を続けていきます。

黒靴のバランス

昨日に続き、黒靴の話をもう少し。

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こちらはサンプルのチャッカーブーツです。

 

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革はゾンタのOLD ENGLAND底材は革(レザーソール)のためサンプルの中でも綺麗な印象が強い一足です。スタイルや生地にもよりますが、スーツに合わせることも可能です。日常使いの一足として、もう少し扱いやすくするのなら製法を9分仕立て底材をダイナイトソールにする組み合わせがお勧めです。

 

綺麗な印象が強いとはいえ、カジュアルなチノパンに合わせても悪くありません。

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足を入れて、写真を撮って…色々な角度から黒靴を見てみると、その懐の深さに改めて気がつきます。茶靴やコンビシューズも良いですが、自分にとって「これだ!」と思うバランスの黒靴を作ってみるのも良いものです。現在黒の革は3種類ございますので、是非ご覧になってみてください。

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